OKR、MBO、KPI、それぞれの違いと特徴
こんにちは。
大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。
近頃、ビジネスにおいて、「OKR」「MBO」「KPI」という言葉をよく耳にしませんか?
これらは、目標を管理するツールになります。
特に「OKR」は、GoogleやFacebook、メルカリも導入しているツール、という事で何となく言葉自体は知っているという方も多いのではないでしょうか。
本日は近年主流になっている「OKR」の他、「MBO」「KPI」の特徴や違いについて簡単にお話ししていこうと思います。
「OKR」とは
「Objective Key Result」の略で「目標と主要な成果」を意味する、企業・組織が掲げる高い目標を達成するための目標管理手法です。
会社全体のOKRから個人のOKRをリンクさせツリー構造で設定するため、企業やチーム、個人が向かうべき方向とやるべきことが明確になり、企業と個人の目標を一致させる事ができます。
基本形は、一つのチャレンジングなObjectives(達成すべき目標)に幾つかのKey Results(目標達成のための主要な結果・成果)が設定されています。
Objectivesは定性的であり、シンプルで覚えやすく、さらにはチームの士気を高める挑戦しがいのあるものでなければなりません。一方、Key ResultsはObjectivesへの進捗を測るための定量的な指標で、一つのObjectivesに対して2~5つ程度あると良いとされています。
達成サイクルは四半期と短いのが特徴で、当初に立てた目標の進捗状況を、上司と確認するレビュー(面談)を頻繁に行うことでフィードバックの頻度を上げます。
目標達成が難しい場合は目標設定の見直し、またサポートを入れ、早めに軌道修正することが可能です。
レビューは1on1で、週1回が理想です。
また、この面談により、コミュニケーションが活発になる、という特徴も持ち合わせています。
企業が一丸となって目標を達成するための手法なので、「高い目標設定」をすることに意味があり、期待される目標達成水準は60%~70%に設定します。
また、報酬の決定の評価には使われません。
「MBO」とは
「Management by Objectives」の略で「目標による管理」を意味し、アメリカの経済学者ピーター・ドラッカー氏が提唱した、組織のマネジメント手法です。
個々の社員は自分で目標を設定して進捗や実行も主体的に管理します。これにより、本人の自律性が尊重された上で主体性が発揮されて大きな成果が出る、という考え方に基づいています。
達成度合いで評価を決める手法です。
達成サイクルは1年ごと、または半期で設定します。
上司が進捗状況を確認するレビューは、一般的に中間で行うことが多く、OKRほど頻繁には行われません。
必ず達成させる目標を掲げるので、期待される目標達成水準は100%で設定します。
達成できたか、できなかったかが明確になるため、実績を評価しやすく、報酬の決定にも使われます。そのため、日本企業の多くが人事評価の手法に採用しています。
「KPI」とは
「Key Performance Indicator」の略で「重要業績評価指標」を意味し、ビジネスの最終数値目標(KGI)を達成するために計測する中間指標を指します。
※KGIとはKey Goal Indicatorを省略したものです。日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。KPIとKGIの大きな違いはKPIが「中間目標」であるのに対し、KGIは「最終目標」であるという点です。KPIは目標を達成するための「過程」、KGIは「ゴール」にあたります。
目標達成に必要なプロセスを明らかにし、中間地点でどの程度の状態であれば、最終数値を達成できるかを想定して、中間数値を計測します。
分かりやすく説明すると、組織の最終達成目標(売上高など)に対して、中間の目標達成度合いを評価する指標です。
達成サイクルはプロジェクトの最終目標(KGI)を達成するために、それぞれのプロジェクトに合わせてスケジューリングされます。
目標達成水準は、達成することに意味がある指標なので、100%で設定。現実的な数値を置きます。
KGI/KPIの例)小売業の場合
KGI:「売り上げ30%アップ」
KPI: ・今月、新規顧客を〇〇人増やす。
・3か月以内に平均顧客単価を〇〇円から〇〇円に改善する。
・離反顧客を見直し、リピート客に〇〇人追加する。
・見込み客の成約率を50%あげる。・・・等
こちらも評価に活用されるツールです。
私がおすすめしたいツールは「OKR」です。
理由としていくつかあるのですが、
まず、
・企業が掲げる1つの高い目標に向かう事でチームやスタッフにブレがなくなり、企業と従業員の方向性が一致しやすくなること。
そして
・サイクル期間が短い→早めの軌道修正が可能。VUCAの時代に適しています。
・レビューの頻度が高い→コミュニケーションを円滑にさせやすいでしょう。
・報酬とは無関係→報酬に直結するならば、人は達成したいがゆえに、目標を低めに設定しがちになりますよね。しかし、報酬と無関係ならば、企業としてより高い目標を掲げ、スタッフと一丸になり達成させる可能性を広げてくれます。(野心的でチャレンジングな目標なので、達成度を60%~70%に設定しているのはこのような理由からです。)
また、
KPI・KGIを組み合わせるとOKRと混同しやすいのですが、目標設定から違うのものになります。
KPI・KGIは、定量的目標のため、部門ごとに目標を設定、管理するときに向いているのですが、柔軟性に欠けるという問題点があります。現在は経営環境があっという間に変化する時代ですので、ルーチンワークのような課題に対してしか目標設定ができません。
一方、OKRは会社全体の目標管理に適しています。OKRはマネジメント層のトップである経営者から、実際に管理する現場のマネジメント層、メンバークラスまで、全員で同じ目標を設定することが可能です。
MBOはスタッフ評価の手法の要素が強いですね。
このような事から、「OKR」をお勧めするわけですが、
それぞれ自分の会社に合ったツールを選ぶことで生産性も上がり、大きな目標も達成させる事が可能だと思います。
本日は「OKR」「MBO」「KPI」についてお話しさせて頂きました。
次の記事では「OKR」を掘り下げたいと思っています。
本日もありがとうございました。
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