職場における「心理的安全性」とは

 

 こんにちは。

 大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。

 

 梅雨も明け、一気に夏になりましたね。

 灼熱の毎日ですので、しっかり水分を取り、体調管理には気をつけましょうね。本当に暑すぎます。。。。

 

 

 本日は生産性が向上する、とされている、職場における「心理的安全性」についてお話ししようと思います。

 

 

 「心理的安全性」が注目されたのは、2016年にGoogle社のリサーチチームが、「チームのパフォーマンスを向上させるためには心理的安全性を高めることだ」と発表した事によります。チームメンバーの能力や、働き方によって生産性が左右されるのではなく、他者への心遣いや、どのような気づきも安心して発言できるという心理的な要素が、生産性に影響していることが分かったそうです。

 VUCAの時代、効率よく生産性の高い働き方を多くの企業が求めていた背景もあり、より注目されたのでしょう。

 

 

 

【心理的安全性とは】

 職場で誰に何を言っても、どんな指摘をしても、誰にも拒絶されることがなく、罰せられる心配のない状態のことです。

 

 心理的安全性という概念を最初に提唱したのはハーバード大学の教授である、エイミーエドモンソン氏で、1999年の論文の中で提唱しました。

 同氏によると心理的安全性は

「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言する事を恥じたり、拒絶したり、罰を与えるような事をしないという確信を持っている状態であり、対人関係においてリスクのある行動をしても、このチームは安全であるとの信念がメンバー間で共有された状態」と定義されています。

 

 

 

【心理的安全性が生産性をなぜ向上させるのか】

 

・情報交換がスムーズになる

 経験や知識が浅いメンバーでも、自由に気づきを発言できる雰囲気を作る事により、様々な観点から情報を得ることが可能になります。

 このように情報交換がスムーズになると、チーム全体の学習も促進され、知識量も知識の深さも向上します。

 

・多様な能力を持つ人が集まりやすくなる

 心理的安全性がある組織では多様な価値観が認められ、様々な個性や能力が集まりやすくなり、議論が深まりやすい特徴があります。

 多様性、創造性がイノベーションを生むと考えられているため、異なる価値観の持ち主同士が自由に話し合うことができる環境がイノベーションには重要です。

 

 

 

【心理的安全性が低い環境で個人が感じる4つの不安】

 

・無知だと思われる不安

「こんな質問をしたら、何も知らないと思われてしまう」「こんなことも知らないのか」と上司や同僚に思われてないかと不安になると、質問や相談をしなくなります。

 その結果、思わぬミスが発生したり、業務の方向性が変わってしまったりする可能性が高くなります。自ずとコミュニケーションも低下します。

 

・無能だと思われる不安

 業務でミスをした時に発生しやすい不安です。「ミスを報告したら、何もできない人とレッテルを貼られるかも」という不安から、ミスを隠したり、ミスの報告が遅れたりしがちです。その場合、取り返しのつかない状況に陥ることもあるでしょう。

 結果、ますます無能だと思われる不安が高まり、悪循環の一途をたどってしまいます。

 

・邪魔をしていると思われる不安

 こちらは業務が思うように進んでいなかったり、会議での発言の際に生じやすい不安です。「自分が足を引っ張っている」「自分の発言で会議が脱線した」など不安を感じると、発言をしなくなったり、業務での積極的な工夫や改善をしなくなります。

 その結果、新しいアイデアが出にくくなり、業務のスピードも低下してしまうでしょう。

 

・ネガティブだと思われる不安

 現状の業務の改善点を提案する時など、「いつも人の意見を批判する」と思われないか、「これはメンバーへの悪口になるのではないか」と思う不安です。

 このことから発言を躊躇したり、本当に重要な指摘をしなくなったりする可能性が出てきます。結果、組織・チームにとって有益な情報が共有されないままになり、目標達成が困難な状態になる可能性を秘めています。

 

 心理的安全性が確保されていれば、上記の問題は起きにくくなると考えられますね。

 

 

【心理的安全性を確保するメリットとは】

 

・情報やアイデアの共有が盛んになる

 自分の考えや発言が否定されるという不安がないため、意見交換が活発になり、多くのアイデアや意見が集まりやすくなります。

 多様なアイデアを共有する事により、その中から最適策を見つけることができ、生産性向上に繋がります。

 

・目指すビジョンが明確になる

 心理的安全性が確保されている組織では、組織やチームの目標や課題に対して、批判的な意見も含め、誰もが自由に議論できます。建設的な議論が行えることで、納得したビジョンを企業全体で共有でき、社内全員が結束して同じ方向性に向かえます。それにより、ブレがなくなり、目標達成のスピードも上がるでしょう。

 

・ポテンシャルの向上

 価値観の異なる相手でも、お互いを認め合い、尊敬し合うという環境に置かれるため、従業員同士が切磋琢磨し、自発的な学習が生まれやすくなります。

 結果、個人のポテンシャル向上に繋がります。

 

・離職率の低下

 心理的安全性が確保されているということは、社員が不安を抱えることが少ないということに繋がります。また、悩みを抱えた際も、その悩みを打ち明けやすい環境です。

 仕事がしやすく、その仕事にやりがいを感じることができたら、社員が定着しやすく、優秀な人材の流出も抑えられるでしょう。

 

 

【まとめ】

 

 いかがでしょうか。ここまで読んでいただけると心理的安全性が組織にとって重要であることが、なんとなく分かっていただけたかと思います。

 まずは、個人が感じる4つの不安を取り除くことから、始めてみて下さい。

 多様性を受け入れたり、価値観の違う意見を理解するのは難しいことかも知れません。しかし、社会変化のスピードが早く、先が読みにくいVUCAの時代になっています。働き方もそうですが、私達個人も変化していかなくはなりません。

 以前の記事のOKRチーム作りにも、心理的安全性を是非取り入れてみてください!

 

 本日もありがとうございました。

 

 大阪事業承継パートナーズでは事業承継のご相談はもちろん、企業の組織化等、経営者のあらゆる悩みや課題のご相談・解決にも注力しております。

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