財務諸表ってなに?バランスシートの中身とは?

 こんにちは。

 大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。

 

 先日「個人M&A」のお話をさせて頂きました。

 その中で、買収金額もサラリーマンの年収程の会社も存在しますよ。と書きました。そう、実際にあるのはあるんです。

 でも、どうやって数ある中から選ぶのか。悩みますよね。

 理想としては、自分の興味のある分野、それに関連している事業を営んでいる会社がいいでしょう。やる気も出ますし、わくわくしますからね。

 

 しかし、それだけで会社を購入する事は怖いですよね。

 M&Aは魅力的な経営戦略ですが、リスクも伴います。

 例えば、成立後に法務上の問題が出てきた、や、従業員の残業代が未払いだった、等。

 思いもよらない事が起きるとも限りません。

 それらのリスクを軽減する為に、DDを行い、リスクヘッジをするのですが、こちらは専門家に頼らなければなりません。

 

 M&Aのコストを抑えるためにも、自分でできる事は自分で行いたいですよね。

 

 その為にまずやって欲しい事は、「財務諸表」が読めるようになること。

 これは、会社を選ぶ際に、必要不可欠です。

 税理士さんにお願いすれば、解決しますが、コストがかかります。

 最終決定の際に、専門家に依頼することは大切ですが、ある程度、候補先を自分で絞る際には、「財務諸表」が読めることは有利なのです。

 サラリーマンの方の中には「財務諸表」ってなに?という方も多いのではないでしょうか。私も勤めの時はその一人でした。見る機会がなかったんですよね。

 

 

 本日は「財務諸表」って何なの?という事と、

 財務諸表の2つの柱の1つ、「貸借対照表=バランスシート」には何が記載されているのか、について、少しでも簡単になるよう、なるべく専門用語を使用しないようにお話していこうと思います。

 

 

 まず、

 

【財務諸表】

 

 「財務諸表」とは、いわゆる「決算書」と呼ばれているものです。

 「決算書」は聞いたことある方多いんじゃないでしょうか。その会社の通信簿のようなものになります。

 

 財務諸表は「貸借対照表(B/S=バランスシート)」と「損益計算書(P/L=プロフィット アンド ロス・ステイトメント)」の2つからなります。

 バランスシート(B/S)はその会社のそれまでの成績。

 プロフィット アンド ロス・ステイトメント(P/L)はその会社の能力を説明するものです。

 

 

 

 では、貸借対照表=バランスシート(B/S)の中身を見てみましょう。

 

 

【バランスシート(B/S)】

 

 B/Sは、会社が潰れる心配がないのか、資金繰りは上手く行っているのかをチェックするものになります。

 B/Sを見るうえで必要な概念は、「それぞれの資産が、いつ現金になるのか」ということです。

 会社が倒産するのは、「会社のお金がなくなった時」になります。

 そうならないためにも、資金繰りが重要になります。資金繰りの状態はBSを見て読み取りましょう。

 

 

中身:

B/Sは3つの部門に分けられます。

資産の部(表の左側)

負債の部(表の右上)

資本・総資産(表の右下)

 

(出典:中小企業庁)

 

 

決まり:

B/Sは必ず左側の合計金額と右側の合計金額が一致します。

ということは、資産=負債+資本・総資産 となります。

 

企業のある一時点の情報です。

B/Sには必ず日付けが記載してあります。この日付け時点で会社が持っている資産や負債の状態を表しています。

 

お金で表せないものは記載されていません。

例えば、「のれん」ですね。100年の歴史がある会社でも、その100年の歴史の価値はいくらになるのかわかりません。ですのでBSには記載されていません。

 

 

【バランスシート(B/S)の3つの部門】

 

 3つに分かれているとお話ししました。それぞれを1つずつ見ていきます。

 

資産の部(表の左側)

 どれだけの資産を事業に注ぎ込んでいるか(資産の使い道)、どれだけお金に変えられるものがあるか(資産の状態)、を表しています。

 将来の収入に繋がるものです。

 資産の部には「流動資産」と「固定資産」があります。ズラッと並びますが、上から流動性の高い順に並びます。

 

「流動資産」

 流動資産とは、1年以内に現金化されるものです。

 例えば、現金や商品、売掛金(月末〆の翌月末払い、というようなカード払いのようなもの)など。

 流動性が一番高いものは、現金、次に普通預金です。

 売掛金は今すぐには換金できないと言うことから、流動性は低くなりますが、数十日後の指定日までには換金できるであろう資産ですので、流動資産のカテゴリーに分けられています。

 

「固定資産」

 固定資産とは、現金化するのに1年以上かかるもの。

a.有形固定資産とb.無形固定資産に分かれます。

 

a.有形固定資産=土地や建物、機械装置、車両運搬具等のこと。

 ここの計算では、「減価償却累計額」という項目がでてきます。

・減価償却累計額=機械装置や自動車など、毎年価値が目減りしていく事を、「減価償却」といい、その累計金額のことです。

 

b.無形固定資産=長期にわたり会社の収益力の要因となる無形の資産のことです。

 例えば、特許権利、商標権、ソフトウェア、営業権利(のれん)など。

 

 

 

負債の部(表の右上)

 会社がどれだけの借金や返却しなければならないものがあるか(資産の調達)、を表します。

 将来の支出に繋がるものです。

 

 こちらも「流動負債」と「固定負債」があります。

 

「流動負債」

 流動負債とは、1年以内に返却期限がくる負債のことです。

 短期借入や、前受金、買掛金、支払手形など。

 資産の部同様、上から流動性の高い順に並んでいます。

 

 

「固定負債」

 固定負債とは、1年以内に返却しないでよい負債のこと。

 抱えている負債のうち、返済に時間的な余裕がある負債です。

 例えば、長期金銭債務や、金融機関から長期的に融資を受けている借入金など。

 長期的な資金を調達できることは、会社の財政状況を安定させ、安全な経営が可能になります。しかし、返却期間に余裕があるからと言って安心はできませんよ。その中身の内容を理解しておくべきです。

 

 

 

資本・総資産(表の右下)

 会社が、どれだけのお金を持っているか、を表します。

 返済する必要のないお金です。

 

 資本金は、会社を始める際、経営者が自分で持っている資金と、過去に出資(銀行からの借り入れや、株主や投資家から調達した資金)を受けた額の合計額です。

 しかし、資本金が多い=信用できる会社ではありません。

 それは、資本金の額=会社の業績ではないからです。会社が事業でどれだけ利益を上げても資本金の額は変わらないからです。

 

 

 

 ここまで簡単にバランスシートを見てみましたが、どうでしょうか。

 聞き慣れない単語が出てきますので、難しく思えますが、意外とシンプルです。

 

 本日は、バランスシートの3つの中身を簡単にお話ししました。

 次回の記事ではバランスシートの中で、注意して見ていただきたい項目や注意点についてお話ししてみようと思っています。

 

 本日もお付き合いありがとうございました。

 

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