トップがナンバー2を迎えるにあたって留意する点・心構え

 こんにちは。

 大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。

 先日、「企業における番頭とは」という表題で、企業のナンバー2の役割をお話しさせて頂きました。

 本日は、企業のトップである社長がナンバー2を迎えるにあたって留意した方が良い点などをお話ししたいと思います。

 

 本日もお付き合いよろしくお願いします。

 

 

【トップの留意点】

 

・ナンバー2に求める役割を明確に伝える

 トップが求めるナンバー2とはどのようなものなのか、を本人に明確に伝えることが重要です。ナンバー2はトップの弱点や不足面を補充し、支えるのが役割です。

 各トップによりナンバー2に求めるものもそれぞれ違ってくると思います。自ずとオンリーワンのナンバー2が誕生することになりますね。

 もし経験豊富なナンバー2だったとしても、求める動きや役割はしっかりと話し合い共有しましょう。

 具体的に示しておくことで、経営の方向性がズレるリスクが軽減されます。

 

 

・組織のナンバー2であることを本人はもちろん、周囲のメンバーにもきちんと伝える

 立場を明確にし、ナンバー2が業務を遂行しやすくします。

 周りからナンバー2だと認識されることで、本人にも自覚が芽生えますし、メンバーに周知させることで、誰の指示に従えばよいかが明確になります。そのため、チームに迷いが生じにくくなるでしょう。

 

 

・ナンバー2に裁量を与える

 役職名だけでなく、ある程度の裁量を持たせなければ業務が滞ります。また、その裁量がどこまでなのか、を明確にしておくことも大切です。

 ここが不明瞭のままだと、ナンバー2が「トップを差し置いて、自分がここまで決めてもいいのか?」という迷いを生じるようになります。結果、意思決定が遅れ、メンバーの不安感を仰ぎ、ナンバー2への信頼も減少することになり兼ねません。

 トップは「信じて任せる」という大きな勇気をもって、ナンバー2にある程度の裁量を持たせましょう。それにより、トップは新規事業を開拓したり、新しい分野の進出も可能になることでしょう。

 

 

・ダブル指示

 ナンバー2に任せている業務があった場合、トップがそのチームメンバーに直接指示を出すのはよくありません。

 ナンバー2を飛び越えての指示はダブル指示となり、それを受けたメンバーはどちらの指示に従えばよいか分からなくなり、チームが混乱します。また、ナンバー2も存在意義を無くし、メンバー内からの信頼を失うことに繋がります。

 トップがチームメンバーに指示が必要だと感じた場合は、必ず、ナンバー2を通して指示を伝えて下さい。

 

 

【トップの心構え】

 

・トップは自分の弱点を理解しておくこと

 先ほども記載しましたが、ナンバー2の役割の1つにトップの不足面を補充する、というものがあります。また、ナンバー2には求める役割を明確に伝えなければなりません。

 以上のことから、トップは自分の弱点を自覚し、理解しておくことが必要になります。

 これは、ナンバー2を探すときにも役立ちます。

 以上を考慮し、どのようなナンバー2ならば掲げた理念に近づけるのか、を第一優先にナンバー2を探しましょう。

 

 

・トップはナンバー2のコーチ役

 ナンバー2に裁量を持たせて任せる、といっても放任主義はよくありません。トップはナンバー2の業務遂行だけでなく、精神面でもコーチ役を担ってほしいのです。

 ナンバー2が自分で考え、答えを導きだせるようアドバイスすることが役割です。決して、指示する事が役割ではありません。

 たとえば、日報や報告書のフィードバックを活用すれば、ナンバー2が失敗や成功を整理し、ふり返ることができます。

 また、トップがフードバックすることでナンバー2も自分の方向性が間違っていないことを確認でき、業務面でも精神面でも安心して仕事を進めることができるでしょう。

 

 

・ナンバー2のフォロー

 ナンバー2のフォローができるのはトップしか存在しません。

 ナンバー2が組織から信頼されるような存在になれるよう、他のメンバーと信頼を構築する手助けをするのもトップの大事な役目になります。

 ナンバー2の成長は、企業の飛躍に繋がります。

 

 

・できれば、ナンバー2は2人見つけましょう

 これは、単純にリスクヘッジという意味になります。

 ナンバー2が病気や怪我などで長期離脱となる可能性も0ではありません。

 また、スピード感をもって新規事業を立ち上げる場合などでは、トップの意思をしっかり受け継いだメンバーが複数存在することは、大きなアドバンテージになります。不確かで変化が激しいVUCAと言われる昨今ではなおさらです。

 中小企業でナンバー2を2人となるとなかなかハードルは高いかも知れませんが、目処をつけておくことに越したことはありません。

 ナンバー2を多く誕生させるということは、トップの魅力がなくては成し遂げられないことでしょう。

 

 

【まとめ】

 いかがでしたでしょうか。

 前回はナンバー2の役割、今回はトップとしての留意点・心構えについてお話しさせて頂きましたが、トップは大変ですよね。

 やらなければならないことが山積みです。

 ですが、ナンバー2を育てあげたらきっと企業は成長します。そしてトップも安心して新しい分野に挑戦でき、企業の未来も明るいものになるでしょう。

 足し算ではなく、掛け算での企業成長が期待できます。

 

 また、前回の記事にも記載させて頂きましたが、ナンバー2を選出する際には、企業理念、ビジョンの一致が最優先です。

 決して、理念は違うが仕事はピカイチできる、という人を選ばないで下さい。仕事ができることに越したことはありませんが、理念が違えば、進む方向性が違ってきます。

 自分自身も企業理念の基、会社と共に成長したい意思や意欲がある人を選ぶことは絶対条件です。

 以上のことからも、日頃からナンバー2としっかりコミュニケーションをとることが必要ですね。

 

 大阪事業承継パートナーズでは、事業承継・M&Aだけでなく、会社の組織化、リーダー育成についてもお手伝いさせて頂いております。

 ナンバー2の選出や育成でお悩みの企業、またその必要性を感じてはいるが何から手をつけていいかわからない方も是非ご相談下さい。

 初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせ下さい。 

お問い合わせはこちらから。

 

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