M&A メリットとデメリット

 こんにちは。大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。

 

 

 事業承継としてのM&Aの記事、第3弾となりますね。

https://jigyou-syoukei.com/article/2504 ーM&A はじめの一歩

https://jigyou-syoukei.com/article/2507 ーM&A  進め方
 

 

 本日はM&Aにおけるメリットとデメリットをお話ししたいと思います。

 

 どんな事にも表と裏がありますので、しっかりと検討してM&Aに臨んで下さい。

 

※M&Aには譲渡企業側と譲受企業側とがありますが、ここで記載させて頂くのは譲渡企業側についてです。

 

 

 

 

【メリット】

①M&Aにより承継先の選択肢が増える

②従業員の雇用維持・取引先との取引継続

③後継者問題をスムーズに解消

④売却利益を得ることができる

⑤個人担保・保証から解消

 

 

ー①M&Aにより承継先の選択肢が増える

 

 事業承継M&Aは、通常の事業承継とは違い、承継先の選択肢が豊富です。

 広範囲から後継者候補を選べることは、適格者を選びやすくなるため、事業承継M&A後の会社の成長も期待することができます。

 

 

ー②従業員の雇用維持・取引先との取引継続

 

 従業員の雇用を守ることは、経営者としての責務を果たすことにつながります。 

 廃業をしてしまった場合、従業員の雇用が失われますが、M&Aによって事業を継続できれば、ご自身の事業に関わる従業員の雇用を守り、取引先とも継続した関係を続けられる可能性が広がります。

 ※ここで注意ですが、譲受企業側は人材の確保ではなく、単に譲渡企業の事業や既存の顧客の獲得が買収の目的である可能性も考えられます。そのため、譲渡企業側が従業員の雇用を守りたいと考えた場合、売却の条件に、自社の従業員を譲受企業側に雇い入れることを明示しておくことが大切です。

 

 

ー③後継者問題をスムーズに解消

 

 親族に後継者候補がいなくても会社を存続させることができるので、後継者不在の中小企業の有効な選択肢になります。

 常に考えなければならなかった次期後継者の選任・育成などの方針に関して、一任できるので後継者問題の悩みから解放されます。

 

 

ー④売却利益を得ることができる

 

 事業承継M&Aは、後継者候補企業に株式を売却する手法です。

 譲受企業側から株式の対価が支払われることになるので、会社の価値に応じた売却益を取得する事ができます。

 

 

ー⑤個人担保・保証から解消

 

 事業承継M&Aであれば、会社の経営権と一緒に個人担保・保証を譲受企業側に引き継ぐ事が可能です。

 

 中小企業の金融機関からの資金調達は、経営者の個人担保・保証の提供を求められることがあります。
 資金調達のためにはやむを得ませんが、個人担保・保証は経営者にとって大きなストレス要因にもなりますね。
 経営状況の悪化などにより借入金の返済ができなくなった場合は、経営者の個人資産で弁済しなくてはなりません。

 譲受企業側との交渉をしっかり行うことができれば、会社を手放した後に債務だけが手元に残るということはありません。

 個人保証や担保から解放されることで新たなことに挑戦できたり、引退後の生活を安定したものにする事も可能です。

 

 

 

【デメリット】

①承継相手がなかなか見つからない

②M&A成立までに時間がかかる

③労働条件などが変更され従業員の待遇が変わる

 

 

ー①承継相手がなかなか見つからない

 

 広範囲から承継相手を探せるというメリットが、範囲が広すぎるために承継相手をみつけづらいというデメリットになる場合もあります。

 そうならない為にも相応のネットワークを持つ専門家に相談するなど対策が必要です。

 また、経営難から自社の売却を考えている企業ほどネックとなります。

 

 

ー②M&A成立までに時間がかかる

 

 M&A以外の事業承継についても同じことが言えますが、親族内事業承継との大きな違いは相手先企業がいることです。 

 ですので、譲渡側だけのペースで承継を進めることは難しくなります。

 一般的なM&A成立までの期間が6か月から1年と言われており、承継相手との交渉やデューデリジェンスなど、時間を要する工程がいくつもあるのでどうしても時間がかかってしまうのです。

※デューデリジェンス(DD):対象企業である譲り渡し側における各種のリスク等を精査するため、主に譲り受け側が FA (ファイナンシャル・アドバイザーの略。M&Aにおける助言業務を行う人のことをいいます)や士業等専門家に依頼して実施する調査のこと。(中小企業庁ガイドラインより)

 DDは、法務、財務、ビジネスといった点を中心にITなども含め、詳細な分析が行われます。

 かなり詳細な調査を行うのが普通なので、弁護士や税理士等の専門家の関与を伴うことも珍しくありません。

 また、条件の合う承継先がみつからない時や交渉が難航する時は、数年単位で取り組むこともあります。想定より長くなることも珍しくないので、時間的な余裕が必要となります。

 

 

ー③労働条件などが変更され従業員の待遇が変わる

 

 経営者が変わると、従業員の雇用や労働条件が変更される可能性があります。

 その結果、従業員の理解が得られず、モチベーションの低下や退職の増加も考えられます。

 こうした状況を避けるためにも、従業員の雇用や労働条件について、数年間は労働条件を維持するなどの条項を盛り込むなど、事前に譲受企業側と話し合い、譲渡後の条件のすり合わせを行いましょう。

 

 また、見知らぬ人が突然社長や経営層、上司になる可能性もあります。

 従業員としては知らない人についていくことになるため、不安や反発を生む恐れもありますので、事業承継M&A後の待遇や職場環境の改善を図るなどモチベーションの低下を招かぬよう工夫が必要です。

 

 

 

 

 

 どうでしょうか。

 M&Aもその他の承継方法と変わらず、時間と専門家の知識が必要となってきます。

 特に承継や会社の未来について相談できる人がいることは、経営者様の負担を大きく軽減させます。

 

 私ども、大阪事業承継パートナーズでは事業承継だけでなく、経営者様の幅広い悩みにも対応させて頂きます。

 代表 瀧井の密度の濃い弁護士活動から法律等の専門的分野についての知識・経験はもちろん、気持ちを加味した問題点の発見・整理・方針の立案など、最後まで依頼者様に寄り添い問題解決させて頂きます。

 

 

 また、デューデリジェンス(DD)についてもオーダーメイドで対応しておりますので、コストを抑えたい経営者の皆様は是非一度、弊社までご連絡下さい。

 ※DDの専用パンフレットもご用意しております。ご興味持たれた方はお問い合わせよりご連絡ください。

 

 

 本日もありがとうございました。

 

 お問い合わせはこちらから

https://jigyou-syoukei.com/contact

 

 

 

 

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