遺留分とは
こんにちは。大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。
前回「推定相続人とは」の記事の中で、相続には、遺産の一定部分を一定範囲の相続人に留保させる「遺留分」
本日はこの「遺留分」にはどのような定めがあるのか、を簡単にお
先日も申し上げたように、相続には、法定相続割合や遺留分等、
それゆえに、弁護士に相談することが好ましいといえます。こちらの記事はあくまで基礎知識、と思って閲読下さい。
【用語のおさらい】
・遺産：相続財産のこと。亡くなった人が死亡時に遺した財産（
・被相続人：財産等を遺して死亡した人のこと。
・推定相続人：まだ相続が発生していない状態で、
・法定相続人：民法の定めに従って、
【遺留分とは】
遺産の一定部分(法定相続割合の２分の１、
ですので、「遺産の一定部分」のところが「遺留分」となります。
遺留分は相続人のうち、兄弟姉妹以外の法定相続人であれば必ず保
※法定相続割合とは、各相続人が民法の定めによって受け取れる遺
※直系尊属とは、自分より前の世代（父母、祖父母等）
【法定相続割合と遺留分の割合】
まずは、一例を挙げて、法定相続割合からみていきましょう。
■法定相続割合
数字で表した方が分かり易いと思うので、例①～例④
例①相続人が配偶者と子の場合
配偶者→２分の１（９００万円）
子→２分の１（９００万円）
・子が２人いる場合は４分の１ずつとなります（４５０万円ずつ）
例②相続人が配偶者と親の場合（子なし）
配偶者→３分の２（１２００万円）
親→３分の１（６００万円）
・両親がいる場合は６分の１ずつです（３００万円ずつ）
例③相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合（子なし）
配偶者→４分の３（１３５０万円）
兄弟姉妹→４分の１（４５０万円）
・２人以上の時は４分の１をその人数で均等割
例④相続人が両親のみの場合（配偶者、子なし）
父→２分の１（９００万円）
母→２分の１（９００万円）
■遺留分の割合
遺留分の割合は、相続人が直系尊属のみの場合は、相続人全員で３分の１、
また、
基本的には、この遺留分の割合に、
例③の場合は、兄弟姉妹に遺留分が認められていなく、
紫が遺留分の割合、緑が法定相続割合です。
同じく、遺産は各１８００万円ずつあると仮定します。
例①相続人が配偶者と子の場合
遺留分の割合は、相続人全員で２分の１（９００万円）
配偶者→２分の１の２分の１（４５０万円）
子→２分の１の２分の１（４５０万円）
・子が２人いる場合は８分の１ずつとなります（２２５万円）
例②相続人が配偶者と親の場合（子なし）
遺留分の割合は、相続人全員で２分の１（９００万円）
配偶者→２分の１の３分の２（６００万円）
親→２分の１の３分の１（３００万円）
・両親がいる場合は１２分の１ずつです（１５０万円）
例③相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合（子なし）
遺留分の割合は、相続人全員で２分の１（９００万円）
兄弟姉妹は遺留分が認められていない→なし（０万円）
配偶者→２分の１（９００万円）
例④相続人が両親のみの場合（配偶者、子なし）
遺留分の割合は、相続人全員で３分の１（６００万円）
父→３分の１の２分の１（３００万円）
母→３分の１の２分の１（３００万円）
表はこちら
↓
【遺留分侵害額請求を行える期限】
遺留分侵害額請求を行うには期限が設けられています。
期限には除斥期間と消滅時効があります。
■遺留分侵害額請求権の除斥期間
相続開始の時から１０年間です。
遺留分権利者が被相続人の死亡や遺留分の侵害があった事実を認識
認識の有無に関わらず、期間の経過のみで権利が消滅します。
■遺留分侵害額請求権の消滅時効
遺留分権利者が相続の開始と遺留分の侵害があったこと、
この事実を知ってから１年以内に権利を行使しない場合は、
遺留分権利者が相続の開始があったことを知らなかった場合や、
あくまでその両方の事実を知った時、
遺留分侵害額請求を行うには「１０年の除斥期間」と「
遺留分侵害額請求権の効果を発生させるための要件は、
【遺留分を侵害した場合】
民法１０４６条の①
「遺留分権利者及びその承継人は、受遺者（
と定められており、
これは、
遺留分を侵害された相続人が、遺留分を侵害した相続人に対して、
遺留分侵害額請求を行える権利を遺留分侵害額請求権といい、
また、遺留分侵害額請求は任意となっています。
ー中小企業の経営者で以下のような状況にある方は注意して下さい
・後継者（法定相続人でもある）は決まっているが、
かつ、
・個人資産に、自社株式と会社経営に必要な資産（
上記のような状況の場合、経営者が会社存続のために「
そうです、
後継者以外の相続人が、後継者に遺留分侵害額請求を行った際は、
被相続人（経営者）
自社株式の分配(当事者双方の合意が必要)や、
これでは、会社は不安定になりかねませんし、場合によっては会社
これは遺留分に配慮していない遺言書を作成した際に起こりうるリ
このことからも、経営者の皆様には、法律に従った上で、
【まとめ】
法定相続割合、遺留分の割合は法律で厳格に決まっています。
そして聞きなれない用語も多いので、
相続人が増えれば増えるほど、
特に遺留分の問題は、
円滑な相続を行う為にも、正しい相続知識を持って、
本日もお付き合いありがとうございました。
大阪事業承継パートナーズは代表が弁護士ということもあり、
また、相続対策だけなく、事業承継・M&Aのサポート、
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