岡本の経歴【第三部 事業承継と現在まで】

 こんにちは。

 大阪事業承継パートナーズ コンサルタントの岡本です。

 

 本日は、第二部に引き続き、経歴の第三部を書いてみようと思います。

 

 第三部では

 長く勤めたアパレル業界から、なぜ畑違いの事業承継、また企業の組織作りを応援する仕事にたどり着いたのかをお話しさせていただきます。

 ご興味ございましたら、お付き合い下さい。

 

 

【社長の急死と事業承継】

 新規店舗立上げやオリジナルブランド立上げの責任者を任され、会社のナンバー2のような立場になっていたのですが、そんな中、社長がガンで急死します。

 ここで最後は事業承継を選ぶ事になるのですが、様々な問題がありました。

 

 

1、社長以外、会社の事は、だれもなにも分からない問題

 

 社長の病気名は取引先やスタッフに最後まで秘密にされており、葬儀が終わってから奥さんより知らせがある、という形でした。胃潰瘍で入院と聞かされていたので、私も含め、皆がびっくりする事となります。

 取引先との関係もあった為、伏せられていたのだろうとは思いますが、病名だけでなく、社内事情も誰も正確には把握していなかったのです。

 奥さんは少し会社を手伝っていましたが、会社を継ぐ気持ちはなく、後継者がいないという事で会社をクローズする方向に進みます。奥さんと共に、スタッフの就職先を探したり、在庫整理の相談を行う予定でした。

 きっと、最初は会社の印鑑の場所さえ、親族にもわからなかったのだと思います。

 

 先代の社長は何もかも1人で抱え、誰にも相談していない案件も多かったため、右も左も分からず、この時のことは忙しすぎて私も詳細には覚えていないくらいです。

 取引先の方がお店に怒鳴り込んできたこともありました。支払いの関係でしょうね。取引先の担当者も焦ったのでしょう。担当者さんにもスタッフにも申し訳ない気持ちになったのを覚えています。

 誰にも相談できなかった先代の孤独を痛いほど感じました。切なくなったのと同時に、せめて誰かに相談しておいて欲しかった、と。顧問税理士さんでも、奥さんでも、友人にでも誰でも良かったのですが。

 なかなか話せない気持ちもわかります。経営者の皆様にもそのような方は多いかと思います。

 

 

2、後継者問題

 

 会社をクローズする方向に動いていたのですが、先代の1人息子がアメリカの学校から帰国し、急遽、会社を継ぐこととなります。

 奥さんも私も社会人経験がない彼が会社を承継することに反対でした。会社の負債の関係もあり、あまりにも不憫ということも理由の1つです。しかし、父親が築いた会社をなくしたくはない、と彼の強い想いから最後は押し切られる形で会社存続の道を選ぶのです。

 

 大変な作業になると、想定はしていたのですが、思った以上でした。

 

・後継者とスタッフのコミュニケーション

・先代の社長と後継者のギャップ

・急に会社を任された後継者自身の精神的な面

 

 あげればきりがないのですが、先代の社長がスタッフ皆から愛されていた事が、大きく後継者を悩ませることになったのだと思います。私自身も後継者との経営方針の相違もあり、うまくフォローできない場面も多くあったと思います。

 

 

3、スタッフの気持ち問題

 

 先代の死後、会社を去るスタッフが1人もいなかったのは幸運でした。

 皆、先代の事を尊敬していましたし、お店の事も大好きだったのだな、と感じ、有難い気持ちになったのを覚えています。お店は変わりなく営業できましたし、お客様にも迷惑がかかる事はありませんでした。

 ただ、先ほども書きましたが、スタッフが先代とお店を愛するあまり、後継者である新社長を受け入れることが難しかったのです。 新社長とスタッフとの橋渡しとなった私は10円ハゲができる始末。

 新社長とスタッフの関係性が構築されるまで1年くらい時間を要したと思います。 

 この頃は経営方針の違いから、新社長とは夜中までよく意見交換をしていました。意見交換といえば、聞こえはよいのですが、喧嘩のようなこともしばしば起こっていたと思います。クビ宣告も何度も経験し、その都度、内緒でお店に行っていた事も今となってはいい思い出の1つです。

 

 新社長も私も、経営の事はわからず、初心者です。

 この頃、私が頼りにしていた先代からお世話になっていた税理士さんは、後継者と合わず、解雇になってしまっていたのです。

 相談できる相手もおらず、お店のスタッフだけが頼りでした。

 

 なんとか3年程かかり、会社も元のようにスムーズに回り出します。

 振り返ると、やはり大切なのは「人」なのですね。当たり前のことですが。本当に「人」に助けられました。スタッフはもちろん、取引先の方や、友人もそうです。

 一人では乗り越えられないことも、組織やチームになれば、乗り越えていけるのだと強く感じ、それは今でも私が大切にしている思いの1つです。

 

 私の記事ではチームやコミュニケーションというワードがたくさん出てくると思いますが、最初も最後も「人」だと思っているからです。また、人と共に何かを成し遂げるのなら、コミュニケーションは絶対不可欠なものですし、それがなければ何も生まれてこないと思っています。

 個人の時代と言われている昨今ですが、個人の能力を伸ばすことも、上手く組織やチームを取り入れる事で早く、高く成長できるでしょう。

 また、コミュニケーションを大切にするならば、リーダー自ら率先して声がけすること、そして相手を知ろうとする事。

 相手の話をよく聞いて下さい。

 当時の私もこの事に早く気づけていたら、もっと早く会社の立て直しができたのでしょう。

 

 

 事業承継だけで言えば、どうにか成功したように思えました。

 3年で立て直し、4年目で私は一先ず安心し、その会社を卒業させてもらいます。知り合いの方から、立て直しが必要なお店があると紹介されていたのです。チーム作りの楽しさを感じていましたので、新天地で1からチャレンジする事になります。

 

 ですが、その事業承継は上辺だけのものとなってしまいます。

 事業承継は3年や4年でどうにかなるようなものではありません。十分に準備し、10年ほどかけ、じっくりやって行くものです。当時の私はその事を知らず、また気づけていなかったのです。

 

 今、その会社は存続していません。先代の急死から6年ほどで廃業となりました。理由は色々あると思うのですが、まずは、承継時に専門家に相談しておくべきだったと、後悔は残ります。

 社長の急死で準備はできていなかったとしても、専門家のアドバイスがあれば、違うやり方、また道もあったのではないか、と思うばかりです。

 当時、私は「事業承継」という言葉さえ知りませんでした。

 この言葉がその時代あったかどうかさえ定かではありませんが、会社の事情を外部に相談することはタブーだと、そのような認識だったように思います。

 

 当時の自分がいるならば、直ちに相談しろーー!!と声を大にして言うでしょう。

 

【新天地から現在】

 某高級ブランドでサブマネージャーとして、店舗運営、スタッフ育成、商品構成、VMD、イベント、百貨店とのコミュニケーションなどの業務を行いました。
 役職なので前職との共通認識は・円滑なコミュニケーション・予算認識・新人教育で主に会社やマネージャーとスタッフ間の橋渡しが重要な仕事となりました。

 

 そちらの会社で数年お世話になり、様々な経営者様とお話しする機会もあったことから、どの業種でもチーム作りは必要で、求めている企業が多いのだな、と実感します。

 そのようなことから、自分が得意としている分野が色々な企業の役に立つならと、某ブランドの退社を決意。

 企業を支援できる今の職種に方向転換をし、現在に至っております。

 

 

 

【まとめ】

 私自身が経験した事業承継失敗は防ぐことができた案件だったと思っています。ただ、無知だったのです。

 相談する場所も方法も、専門家がいることすら知らなかったのが原因です。

 ですので、皆様には知って欲しいと思います。

 一人で抱えず、誰かに相談することを。専門家でなくても良いのです。

 誰かが、自分の思いを知っていれば、必要に応じて必要な助言を得られる可能性があります。

 事業を承継するでも廃業するでも、最後に選ぶのは経営者様です。ただ、何も知らずに決断を下さないで欲しいな、と切に願います。

 専門家としてのテクニックや知識の有無もありますが、それだけではありません。気持ちの部分も大変大きいのです。

 従業員や、その家族、また経営者様ご自身ご家族のその後の人生を左右する一大決心となるでしょうから。

 

 

 ここまでが私の経歴になります。

 文章が拙いせいで、読みにくい部分もあったかと思います。

 失礼致しました。

 

 これからも失敗はあるものの、ワクワク楽しく人生を歩んで行けるよう、邁進したいと思っております。

 

 最後までお付き合いくださりありがとうございました。

 

 

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